心に響くビートを HEAT WAVE 山口洋さんを聴く

心に響くビートを HEAT WAVE 山口洋さんを聴く

2017-03-11

2017年5月14日の埼玉★浦和ギターカーニヴァルを盛り上げていくために、ブログの内容を日々考える実行委員の高橋龍一です!

 

第5回目は、一日早い土曜日の更新です。

この意味を、ほどいていきます。

 

今回ご紹介するアーティストは、独自のロックンロールと躍動感溢れるライブパフォーマンスで、聴く者を魅了する、山口洋さんです!

1979年に山口さんを中心として結成された「HEAT WAVE」。

ヴォーカル&ギターと大半の作詞・作曲を手掛け、鋭く心に刺さる独自のロックンロールと、躍動感溢れるライブで絶大な支持を集めています。

 

また、バンド活動と並行して、プロデューサー、ギタリストとしても様々な顔を持ち、アイルランドを代表するミュージシャンとの共演も多く、国境、世代、性別を越え、人々に感動を与え続ける第一線のアーティストです。

 

「Life Goes On」

テンポも速く勢いがあってロックな曲!

カッコいいイントロのギターソロから、叫ぶような歌声やささやくようなウィスパーボイスまで使いこなし、アコースティックでありながらもロック感を演出!

アコースティックギターにやまびこのような効果が得られるディレイ効果をかけているのか、空間演出が図られて、曲の奥行きまでも大きい!僕のお気に入りの1曲です!

 

山口さんの音楽に触れて頂いたところで、土曜日のブログ更新の理由を紡いでいきます。

 

この動画は2015年8月10日にNHK BSプレミアム「The Covers」にBRAHMANが出演した際に演奏された「満月の夕」。

曲の途中から突如、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬氏と山口さんが現れ、BRAHMANとセッションする演出が話題となりました。

 

この曲は中川敬氏と山口洋さんの共作。

1994年冬、当時海外に活動拠点を置いていた山口さんが中川敬氏と出会い、その後三線とギターでセッション。

2人の個性が凝縮されたメロディーとコードがほぼ出来上がりました。あとは完成に不可欠なサビをお互いに書き上げ、再度完成後に連絡することを約束していました。

 

そんな中、突如飛び込んで来たニュース。

1995年1月17日、阪神・淡路大震災発生。

 

交通機関もほとんど回復していない状態で中川敬氏達と共に、車で被災地へ入った山口さんは、「教科書でしか見たことのない風景が拡がっていた」と、当時の記憶をこちらで綴られています。

 

発生時、朝食を支度する家が多く、火災被害がニュースで繰り返し何度も読み上げられ、画面からは倒れた高速道路や建物の亀裂、家の中は全ての家具が倒れているという、信じ難い「事実」が映されていました。

当時、僕は5歳。

正直その時の惨状を思い出すのは困難です。

事実、学校の教科書で見たのが、最初の阪神淡路大震災の記憶でした。

 

震災のひと月後、中川氏に曲の完成を連絡すると、被災地で歌い続けている中川氏は既に曲を完成させ、現地で歌っていたそうです。

山口さんは録音された曲を聴き、現場の違い(神戸・東京)である互いの「リアリティ」を受け止め、視点の異なる2つの「満月の夕」が産まれました。

 

そして阪神・淡路大震災から16年後、2011年3月11日 東日本大震災発生。

 

初めて、大きな地震を体感しました。

恐怖で足がすくみ、何が起きているか実感も出来ない程、混乱しました。

 

そんな中でも、復興を応援するアーティスト達は再び被災地へ行き、「満月の夕」を歌っています。

「たくさんのシンガーがそれぞれに想いを込めて、伝導してくれたことに感謝を。中川敬とその仲間たちとの22年に感謝を。「満月の夕」はこの世界が信じるに値する場所だということを僕に教えてくれた。」

と山口さんは綴っています。

 

以降、福島県相馬市の人々と共に復興に取り組むプロジェクト「MY LIFE IS MY MESSAGE」を主宰し、賛同するアーティストの一人に、ギターカーニヴァルで共演する矢井田瞳さんも参加されています。

 

山口さんと矢井田さんの出会いは、2004年の7月17日にフジテレビで放送された「僕らの音楽」での共演。

「何のために音楽をやっているのかとわけわからなくなっていたときにふと現れて、私を直接慰めるということではなくとも、その佇まいを見るだけで、”あ、答えがここにあった“と気づかされた。」

矢井田さんは語る。

 

ここから二人の「縁」は繋がり、矢井田瞳さんのアルバム、『Here today-gone tomorrow』内の「月を見ていた」のプロデュースを山口さんが担当されました。

とても愛に満ち、暖かい上にアコースティックギターの音色と矢井田さんの艶のある声が重なり、ド直球且つパワフルな楽曲。現在の矢井田さんの力強さや、守る強さを感じました。

 

事実を音楽で伝導する苦しさや悲しみも背負い、それでも尚、アーティストとして、シンガーとして、まっすぐな言葉で聴く人々の「心」を動かして来た山口さん。

山口さんの熱いステージを500人で共有できる埼玉★浦和ギターカーニヴァル。

5月14日、僕は山口さんが奏でる音楽の世界をこの心で受け止め、僕もまた、伝導できたら…いいなぁ、と思っております。

 

今日は東日本大震災から6年が経ちました。

その6年の間に熊本でも大きな地震が起こりました。

被災者の心に残る悲しみや恐怖はきっと一生拭うことは出来ないけれど、音楽や歌の持つ力で、希望を持って欲しいなって、月並みですが、僕も思っています。

 

一日も早い復興を、心から願います。

 

 

ではまた、次回のブログで。

高橋龍一

 

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